こんにちは。デザイン担当の中島です。
近々登場予定の新しい Sleipnir 。
開発もクライマックスを迎えつつありますが、かつてない実用性と新規性を実現するための長くて険しい道のりには、幾多の渦巻く葛藤、立ちはだかる壁がありました。
言うなれば総力戦のまっただ中、開発スタッフ達は日々それぞれの発想をぶつけあい、時には摩擦だって生じます。
今回は、そんな開発過程で巻き起こった、UI デザインにまつわるエピソードをご紹介します。
Sleipnir に新しく搭載される注目機能のひとつに各種 Web サービスとの連携がありますが、”共有””保存””後で読む”といったアクションを実行すると、まるでブラウザの機能のように Web サービスを使用できます。
かつてないブラウザに生まれ変わる Sleipnir への大きな期待に、各スタッフも胸を躍らせつつありったけの情熱を注ぎながら作業を進める中、”保存”コマンドのアイコンについて、デザイナーの間である物議が巻き起こったのです。
もはや昭和生まれの世代にしか通じませんよ
最初に提案された”保存”アイコンはこちら。何のモチーフか分かりますか?
そう、フロッピーディスクです。
現実では消え行きつつある道具をシンボルにするのはいかがなものか?と議論が交わされたわけですが、最も印象に残った意見がこちら ……
「フロッピーなんて、実際に使うことはなくなったしおそらく現物を見たことすらない若いユーザーも多いはず。もはや昭和生まれの世代にしか通じませんよ。」
…… なるほど然りと思いつつも、学生時代にはフロッピーや MO にお世話になりまくったバッチリ昭和世代な私にとっては、ちょっぴり寂しいお言葉だったり。
社会通念に背くんですか
対してフロッピーこそがベストな”保存”のシンボルだと主張する、提案者の言い分 ……
「フロッピーはいまや実用されることはなくても保存のシンボルとして浸透している。最大限のユーザーが認識できる UI を提供すべきなのに、社会通念に背くんですか?」
…… こちらの意見も大変よくわかります。
例えば高速道路の SA のサインなんかで見るお食事処のシンボル。ナイフとフォークの図柄を使用していますが、実際にはお箸でラーメンなんかをさくっとかき込む場合が多く、格式ばった食事をする場所のイメージはないですよね。
考えてみると、このように現実とはズレがありつつもイメージとして認知度が高いシンボルはたくさん存在します。
慣例をかなぐり捨てて突き進む
結果、新しい Sleipnir の”保存”アイコンにはアンチフロッピー派が提案した箱のシンボルが採用されました。
大いなる前進には、時として慣例をかなぐり捨てる勇気を要します。しかしながら、「道がないなら Sleipnir が先導すればいいじゃない」と言わんばかりのフェンリルスピリットが垣間見える胸熱な一コマ、いかがだったでしょうか。
このように、それぞれのスタッフが、特有の課題にぶつかりながらも自分の仕事に誇りと自信をもって取り組んでいます。
開発者の意地と思い入れの集大成、新しい Sleipnir にどうぞご期待ください!
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