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意外と知らない?人間の目に関する豆知識

はじめまして、デザイナーの高口です。

デザインをするにあたっては見た目の美しさも考慮すべきですが、必要な情報を得ることすら出来ないデザインは、使い勝手だけではなくその価値すら低下させてしまいます。
そのデザインにとって重要な色を考える場合、色彩だけでなく、ユーザーの視力や色覚障害、病気、周囲の環境など、考慮するポイントはたくさんあります。
知覚する景色は万人共通のものではなく、人それぞれの主観によるものなのです。
そこで今回は人間の目について、ちょっとした豆知識を書きたいと思います。

2つのアンテナ

人間の目には錐体(すいたい)と桿体(かんたい)という光を刺激として受け取る光受容体というものが2つあります。 錐体は明るい場所で働く細胞で、赤(R:長波長)、緑(G:中波長)、青(B:短波長)3種類の波長に反応します。桿体は暗い場所で働く細胞で、光量に反応します。つまり錐体は色を認識し、桿体は明るさを認識するものと考えてください。 この2つを駆使して、人間は色や形を知覚しているわけです。

暗所での知覚

ところで皆さんは周囲が暗いと、形は分かるけど色が分かりにくいといった経験はありませんでしょうか? 先ほど色を知覚する細胞は錐体と書きましたが、この錐体は暗い場所では機能が落ちます。 代わりに桿体という細胞が働き出すので、色が見分けにくくなり濃淡で判別するようになるわけです。

モバイル端末の場合、夜に外で使うといったシチュエーションもよくあるので、色だけでなく濃淡もはっきりさせておくとユーザーに優しいですね。

ちなみに錐体の中でも赤を知覚するものは、他の錐体に比べ特に感度が落ちます。 青や緑の感度は赤に比べて落ちにくいので、夜は赤より青のほうが知覚しやすいという現象がおきます。道路標識が青いのもこういった理由があるのですね。

錐体の欠落による色覚異常

世の中には先天的に錐体を欠いている方達がいます。
特に多いのが先天赤緑色覚異常と呼ばれ、赤・緑系統の色の弁別に困難がある方達です。 圧倒的に男性に多く、日本人なら約22人に1人が該当します。女性の方も約500人に1人が該当します。数字にしてみると思ったより多くの方達が該当している事に驚かれたのではないでしょうか。他の色に対する色覚異常もありますので、赤や緑に限らず、色の組み合わせには気を付けたいものですね。

具体的な対策としては色差、明度差に加え、意味のあるテキストや記号を用いる事をお勧めします。 ここでは割愛しますが、W3Cがガイドラインを示しているのでひと通り目を通しておくと良いかもしれませんね。

ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン
色とコントラストについては章 1.4.1 と 1.4.3 にあります。

目の順応力

太陽、蛍光灯、白熱電球、人の周りには様々な光源があります。 暖色光の元で写真を撮ったら、見えているよりずっと赤みがかって撮れた!なんてことありませんか?これは今までの経験や知識から、周囲の色と物体の色を比較して、光源を特定し見え方を補正しているため、ありのままを写す写真と差異がでたのです。人間の目ってすごいですね。

様々なシチュエーションで使われるスマートフォンですが、光源が違っても白は白とちゃんと認識してくれるようです。ちょっと一安心ですね。 もちろん補正にも限界がありますので、極端な光源の元だと…

 

いかがでしたか?
より多くの方々に気持ちよく使っていただけるよう、常に意識したいものですね。

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