Developer's Blog

Microsoft Excel for Mac で自動履歴保存の機能を作成しました

こんにちは、ウェブ共同開発部 エンジニアの山口です。

Excel for Mac で資料を作成している時に、「過去の内容をもう一度見たい」「command + Z や control + Z で戻すのが不安」「標準機能の自動バックアップがうまく帰ってこなかった」「保存していなくて半日作業がぶっ飛んだ」そんな時はありませんでしたか?

そこで、ブックを定期的に履歴バックアップ保存するアドインを作成しました。

 

経緯

ある日、私は Excel for Mac を使っているときに、ブックの過去の状態を見たいと思いました。そこで私は「control + Z」で編集を元に戻し、内容をコピー「control + C」して「control + Y」で、もと居た現在に戻る作業を行おうとしたのです。

それは例えて言うと、過去にタイムスリップして、写真を撮って、現代にまた戻る簡単なミッションでした。

しかし事故は起こりました。対象はシェイプオブジェクトで、マウスで選択した瞬間に少し動いてしまったのです。

もう「現在」には戻れません…

と言うのは妄想なのですが、そんな時は自作するしかない。完成すれば ”心の平安” だなとの思いから、名前は「shanti」です。

shanti とは

シャンティ( śānti )サンスクリット語で、心の平安や平和を表します。

主な仕様

機能の名称 shanti
起動方法 shanti ボタンをクリック
終了方法 起動中にshanti ボタンをクリック
バックアップの場所 バックアップ対象のブックと同じ場所に「ブック名.backup」フォルダを作成して、「年月日時分秒.適切な拡張子」として履歴を保存
バックアップ間隔 10秒、20秒、30秒、60秒 を用意

導入方法

アドイン導入手順

  1. shanti.zip をダウンロードします(ファイルのダウンロードは後述)
  2. ダウンロードした zip を解凍して、shanti.xlam を取り出します
  3. shanti.xlam を任意の保存場所に移動します
    ※以降は xlamファイル を Excel が参照します。ファイルを移動した場合は、shantiさんが動作しなくなりますので、導入手順のやり直しが必要になります
  4. Excel を起動します
  5. 「ツール」>「Excel アドイン…」を選択して「アドイン」ダイアログを開きます
  6. 「参照…」ボタンを選択します
  7. shanti.xlam の保存先に移動して、shanti.xlam を選択します
  8. 「有効なアドイン」に「shanti」が追加されますので、チェックされた状態にします
  9. 「OK」を選択します

以上で、Excel へのアドインとしての導入が完了しました。引き続き、機能の起動方法を設定します。

shanti さんの登録手順

クイックアクセスツールバーへの配置手順を説明致します。

  1. Excel を起動します
  2. 「タイトルバーにある下向きの矢印」>「その他のコマンド…」を選択します
  3. 「リボンとツールバー」ダイアログが開きます
  4. 「クイックアクセスツールバー」のタブを選択します
  5. 「コマンドの選択」から「マクロ」を選択します
  6. リスト内の「ThisWorkbook.startShantiXX」を選択します
    • XX は、お好みのバックアップ間隔を選択して下さい。単位は「秒」です
      ThisWorkbook.startShantiXX は、複数配置することも可能です
  7. 「>」ボタンをクリックして、「クイックアクセス ツール バーのカスタマイズ」のリストに加えます
  8. 「保存」ボタンを選択します
    ※保存後「ThisWorkbook.startShantiXX」は「<<ラベルなし>>」に変化します。歯車アイコンの設定で名前を変更しても同様です
  9. 「Excel 環境設定」に戻りますので、閉じます
  10. 「クイックアクセスツールバー」に「○」のアイコンが増えていることを確認します

以上で「○」をクリックすると、shanti の声が画面に表示されるようになります。

アクセス権についての確認画面

初めてバックアップを行う場合は、OS側から「Excelがファイル操作を行うための確認」の画面が表示されます。間違いが無いか確認の上、権限の付与を行って下さい。

導入前に戻すときは

shantiさん の登録を解除する手順

  1. Excel を起動します
  2. 「タイトルバーにある下向きの矢印」>「その他のコマンド…」を選択します
  3. 「リボンとツールバー」ダイアログが開きます
  4. 「クイックアクセスツールバー」のタブを選択します
  5. 「クイックアクセス ツール バーのカスタマイズ」のリストから「<<ラベルなし>>」を選択します
  6. 「<」または「―」を選択して、リストから削除します

以上で、ボタン登録の解除が完了です。
引き続き、アドイン削除の手順を説明致します。

アドインのファイル削除と Excel からの削除する手順

  1. ファイルとして保存していた「shanti.xlam」を削除します
  2. 「ツール」>「Excel アドイン…」を選択して「アドイン」ダイアログを開きます
  3. 「有効なアドイン」の「shanti」の、チェックを解除します
  4. 通知ダイアログが開き「リストから削除しますか?」の確認で「はい」を選択します
  5. 「有効なアドイン」から「shanti」がないことを確認して「OK」を選択します

以上で完了です。

免責事項

「免責事項」をご確認の上、ご承諾いただける方のみ本アドイン・マクロをご利用頂けます。ダウンロードを行った時点で承諾したものとみなします。ダウンロードではない方法で本アドイン・マクロを取得された場合は、本アドイン・マクロ機能の有効化を以って承諾したものとみなします。

  1. Excel や OS のバージョン、及び動作環境の違いにより、本アドイン・マクロが動作しない可能性があります。
  2. Excel や OS のバージョンアップ、及び修正プログラムの適用により、本アドイン・マクロが動作しなくなる可能性があります。
  3. 予告なく本アドイン・マクロのダウンロードを中止する可能性があります。
  4. 本アドイン・マクロの利用、及び利用できなかったことで発生する損害等に対して、フェンリル株式会社では、一切の責任を負いません。
  5. この免責事項は予告なく変更する場合があります。

その他 諸情報

ファイルの情報とダウンロード

  ダウンロード時 解凍後
ファイル名 shanti.zip
ダウンロード前に、必ず免責事項をお読みください。
shanti.xlam
サイズ 13 [KByte] 15 [KByte]

今後の課題

  1. アイコンがないので、何か作ってあげたい
  2. エクセルさんは「<<ラベルなし>>」と名づけてしまうのを何とかしてあげたい
  3. 上記の解決方法をご存じの方は、ぜひ コメント欄よりお知らせ頂けますと幸いです

最後に

「マンダラ2」として数人に期待されていた「shanti」を公開する場を与えて下さり感謝致します。いつかどこかで、皆様の役に立つことを願っております。ありがとうございました。

 

 

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