こんにちは、ウェブ共同開発部 エンジニアの山口です。
Excel for Mac では「オブジェクトの選択」の機能がないようなので、似た機能を作りました。困っている方がおられるようですので、Excel アドインと導入手順を紹介させていただきます。
私はこのアドインの利用により「作業の消費カロリーの低下」と「腱鞘炎が治る」という希望が湧きました。
※個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません。
経緯
ある日、私は Excel for Mac を使っているときに「オブジェクトの選択(個人的な呼称『白い矢印さん』、バージョンによっては黒いときもあるようです)」の力が必要になりましたが、Excel のどこを探しても見当たりませんでした。
周りの人に聞いてみましたが、同じように困っているとのことでした。これは、マウスで範囲指定するとシェイプなどのオブジェクトを一括選択してくれる機能で、たくさんのシェイプの位置などを調整するときにはとても重宝します。
何か解決策がないかネットで探した結果、以下の状況でした。
- 「マイクロソフトコミュニティ」の質問では、Microsoft Support の方が「 Excel for Mac に『オブジェクトの選択』はないようです」との回答
- ほかのユーザの方々も同じ機能は存在しない認識で、「選択ウィンドウ」で代用している
- マクロやアドインは誰も作っていない
つまり自作するしかない。と言うことで、少し仕様の異なる部分もありますが、アドインとして作成しました。以降は「(仮称)シェイプ選択さん」として、説明を進めさせていただきます。
主な仕様の比較
機能の名称 | オブジェクトの選択 | シェイプ選択さん |
選択手順 | 選択モード(セル ⇔ オブジェクト)を 切り替えて範囲選択 |
事前にセル範囲を指定して ボタンをクリック |
選択範囲 | ピクセル単位 | セル単位 |
選択判定 | 完全に内包するオブジェクトを選択 | 同様 |
導入方法
アドイン導入手順
- SelectShapes.zip をダウンロードします(ファイルのダウンロードは後述)
- ダウンロードした zip を解凍して、SelectShapes.xlam を取り出します
- SelectShapes.xlam を任意の保存場所に移動します
※以降は xlamファイル を Excel が参照します。ファイルを移動した場合は、シェイプ選択さんが動作しなくなりますので、導入手順のやり直しが必要になります - Excel を起動します
- 「ツール」>「Excel アドイン…」を選択して「アドイン」ダイアログを開きます
- 「参照…」ボタンを選択します
- SelectShapes.xlam の保存先に移動して、SelectShapes.xlam を選択します
- 「有効なアドイン」に「Selectshapes」が追加されますので、チェックされた状態にします
- 「OK」を選択します
以上で、Excel へのアドインとしての導入が完了しました。引き続き、機能の起動方法を設定します。
シェイプ選択さんの登録手順
クイックアクセスツールバーへの配置手順を説明致します。
- Excel を起動します
- 「タイトルバーにある下向きの矢印」>「その他のコマンド…」を選択します
- 「リボンとツールバー」ダイアログが開きます
- 「クイックアクセスツールバー」のタブを選択します
- 「コマンドの選択」から「マクロ」を選択します
- リスト内の「ThisWorkbook.SelectShapes」を選択します
- 「>」ボタンをクリックして、「クイックアクセス ツール バーのカスタマイズ」のリストに加えます
- 「保存」ボタンを選択します
※保存後「ThisWorkbook.SelectShapes」は「<<ラベルなし>>」に変化します。歯車アイコンの設定で名前を変更しても同様です - 「Excel 環境設定」に戻りますので、閉じます
- 「クイックアクセスツールバー」に「○」のアイコンが増えていることを確認します
以上で「○」をクリックすると、セル選択範囲のシェイプとコントロールなどのオブジェクトを選択できるようになるはずです。試しにオブジェクトを配置してテストしてみてください。問題なければ設定完了です!
導入前に戻すときは
シェイプ選択さんの登録を解除する手順
- Excel を起動します
- 「タイトルバーにある下向きの矢印」>「その他のコマンド…」を選択します
- 「リボンとツールバー」ダイアログが開きます
- 「クイックアクセスツールバー」のタブを選択します
- 「クイックアクセス ツール バーのカスタマイズ」のリストから「<<ラベルなし>>」を選択します
- 「<」または「―」を選択して、リストから削除します
以上で、ボタン登録の解除が完了です。
引き続き、アドイン削除の手順を説明致します。
アドインのファイル削除と Excel からの削除する手順
- ファイルとして保存していた「SelectShapes.xlam」を削除します
- 「ツール」>「Excel アドイン…」を選択して「アドイン」ダイアログを開きます
- 「有効なアドイン」の「Selectshapes」の、チェックを解除します
- 通知ダイアログが開き「リストから削除しますか?」の確認で「はい」を選択します
- 「有効なアドイン」から「Selectshapes」がないことを確認して「OK」を選択します
以上で完了です。
免責事項
「免責事項」をご確認の上、ご承諾いただける方のみ本アドイン・マクロをご利用頂けます。ダウンロードを行った時点で承諾したものとみなします。ダウンロードではない方法で本アドイン・マクロを取得された場合は、本アドイン・マクロ機能の有効化を以って承諾したものとみなします。
- Excel や OS のバージョン、及び動作環境の違いにより、本アドイン・マクロが動作しない可能性があります。
- Excel や OS のバージョンアップ、及び修正プログラムの適用により、本アドイン・マクロが動作しなくなる可能性があります。
- 予告なく本アドイン・マクロのダウンロードを中止する可能性があります。
- 本アドイン・マクロの利用、及び利用できなかったことで発生する損害等に対して、フェンリル株式会社では、一切の責任を負いません。
- この免責事項は予告なく変更する場合があります。
その他 諸情報
ファイルの情報とダウンロード
ダウンロード時 | 解凍後 | |
ファイル名 | SelectShapes.zip ダウンロード前に、必ず免責事項をお読みください。 |
SelectShapes.xlam |
サイズ | 15 [KByte] | 22 [KByte] |
今後の課題
- 選択範囲をセル単位ではなく、ピクセル単位にしたい
- アイコンがないので、何か作ってあげたい
- エクセルさんは「<<ラベルなし>>」と名づけてしまうのを何とかしてあげたい
お待ち下さい…。ここで、正式名称が決定しました
「マンダラ」です。
最後に
「マンダラ」の動作で、色々気になる点はありますが「現状でもよいので使いたい!」との声がありましたので公開致しました。今後は少しずつ合間を見つけて、残した課題を改善していきたいと思います。ありがとうございました。
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