フェンリルデザインの末綱です。
最近受験した、HCD-Net認定の人間中心設計専門家試験について書こうと思います。
HCD-Netって?
HCDやUXデザインに関する様々な知識や手法についての啓蒙活動や情報発信を行っている日本で唯一のHCDに特化した団体です。
HCDって??
Human Centered Design、直訳すると人間中心設計。
UX(ユーザーエクスペリエンス)という考えも、HCDプロセスがベースになっています。
HCDのプロセスは国際規格化(ISO 9241-210)されており、日本語に翻訳されたものがJIS規格(JIS Z 8530)です。
HCD(人間中心設計) と私。
私がこのプロセスでいいなぁと思う点は、2点。
1. ユーザー自身がニーズだと思っていない「本当のニーズを満たすもの」が求められていることです。
2. ユーザーの本当の姿を知り、真の要求を汲み取るために、市場調査や、社会環境、自分だけのニーズではなく、どのタイミングで、何をするべきか? を「ユーザーの行動」から仮説立て進められるところです。
多くのデザイナー、プランナー、プロダクトオーナーは、ユーザーのことを無視している人はいないと思いますが、ビジネス視点で考えた時に優先度が下がったり、ユーザーのことを考えながら作っていると思っても、客観的に見るとひとりよがりなものだった… ということがあります。
HCDプロセスを導入すると、適切な手法を用いてプロジェクトのゴールを導き出すことができます。
人間中心設計専門家、スペシャリストって?
HCD-Netが認定する資格で、「商品やシステム開発における人間中心設計プロセスを実践できる専門家で、使いにくい商品やシステムに対するHCD的活動を推進する知識や能力を有する」と認定された方が持つことができます。
HCDに関する業務を2年以上(スペシャリスト)または5年以上(専門家)という受験条件があり、年に1回記述式で試験が実施され、一定の基準をクリアしているかどうかで判定されます。
人間中心設計専門家試験について
受験に必要なこと。
1. HCDに関連する実務経験5年以上 (スペシャリストは2年) 行うこと。
2. もろもろの応募書類を書くこと。
応募書類の記述内容は以下です。
A: 基本
・利用状況の把握 (調査・評価設計能力/ユーザー調査実施能力…など)
・要求分析 & 仕様化 (ユーザー体験の構想・提案能力など)
・設計解決案 (製品システム・サービスの要求仕様作成能力など)
・要求への評価 (ユーザーによる評価実施能力など)
B: プロジェクト
・プロジェクト企画能力
・チーム運営能力
・プロジェクト調整、推進能力
C: 導入推進
・組織導入能力
・教育ブログラム開発能力
・人材育成能力
・手法、方法論開発能力
各項目、5つプロジェクトを記述することができ、もっとも高い点数のプロジェクトで採点されます。
A、B、C で一定の点数が満たせると受かります。
受験を振り返って
事前にプロジェクトで実施した内容や一連のプロセスをまとめておかないと苦労。
ギリギリで行うのは苦行でしかないです。汗
この受験に必要な項目はプロジェクトの振り返りにも使えて一石二鳥だと思います。
プロセスをまわす上で、工夫した点や、成果が妥当か判断されるため、
課題や実施目的を的確に記述しようと意識するので、受験した時点で学習でき、
次のプロジェクトで活かすことができます。(と思われます。)
フェンリルはHCDプロセスを導入することに積極的だったり、受験を希望する人のフォローが手厚いです。
(… おかげで合格できました!)
余談 (HCDと人狼)
ちょいちょい、弊社で人狼ゲームをすることがあるのですが、
人狼をあぶり出す行為と、ディプスインタビューなどで真のニーズを汲み取る行為は似ているな…と思ったりします。
言葉より、言葉を発している想いや行動を汲み取ることが大切だなぁ。と思います。
フェンリルでは、人間中心設計専門家とスペシャリストが計8名在籍しています。
プロジェクト内に導入を検討されている方、キャリアを積む上で興味がある方、お問い合わせくださいね。
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