iPhone や iPad の UI を考える上で、もっとも重要な資料といえば iPhone / iPad Human Interface Guidelines(以下 HIG)です。
これらを参考にすることは iPhone / iPad に最適なアプリを設計するために欠かせません。しかし、ただ従うだけでなく、もう一歩踏み込んで「なぜこんな風に定義されているのか」「そのためのパーツはなぜこの外観なのか」などを考えてみると、その背景が見えてくることがあります。
例えばタブバーの色。なぜ黒くてつやつやなのでしょうか。
タブバーはすべての画面の親として、それらを切り替えるためのコントロールです。iPhone の画面の周りは黒いので、まるでハードウェアと地続きのようにして、画面の一番手前にあるかのように見せていることが考えられます。
また、画面とは異質な色づかいでその関連性の距離感を明確にしているのかもしれません。これは画面の中身に結びついたコマンドを有していて、画面に馴染む色づかいのツールバーと好対称です。
もちろんこれらはあくまで想像なので、真相はわかりません。とはいえ、ユーザーにタブバーの役割をそれとなく伝えるための何らかの工夫の跡ではあると思うのです。
HIG はとても丁寧に普遍的な内容が書かれていますので、その背景を追ってみることでカスタムな操作や画像づくりにも応用が利くと思います。解釈をどこまで崩してもいいか、どこは守るべきかの判断にも役立ちます。
これまで HIG はざっと目を通しただけという方は、今度は読み込んでみると、また違った発見があるかもしれませんよ。