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ホーム画面から考えるタップとフリックの話

Home Screen

iPhone のホーム画面はフリックでページを切り替え、タップしてアプリを起動するわけですが、隙間なくアプリを敷き詰めれば、当然フリックするときもアプリの上を触ることになります。

よくできた判定によって、フリックとタップはきちんと区別されます。よって操作上は何ら問題ありません。しかし実際には、フリックのときに「タップしないよう」わずかな注意が生じます。ほとんど無意識といっていいくらいのものですが、間違いなく見えないストレスがあると思うのです。

そこで私は画面の一番下一列をなるべく空けています。ストレスフリーになって、実際やってみると考える以上にラクですよ。

さて、この気に留めるほどでもない操作の違和感、テーブルのフリックにもいえるはずなんですが、こちらは気になりません。それがなぜかを考えてみると、ホーム画面とテーブルが、それぞれの設計意図によって細かく調整されていることが垣間見えてきます。

Appearances

ホーム画面ではアプリを触るとタップでなくても一瞬ハイライトします。また、いかにも押せる形の要素が敷き詰められていて、余白がほとんどありません。アプリをタップしやすいですが、代償にフリックを邪魔する理由にもなりそうです。

対してテーブルは触ったくらいでいちいちハイライトしません。それに余白も多くて画面全体を触りやすくできています。しかし一方では、見た目がフラットで押せるようには見えません。

これはホーム画面がスクロールよりはタップのしやすさを重視しているゆえと考えられます。ホーム画面はアプリを起動させることが本分です。逆にテーブルは大量の情報を気持ちよくスクロールできることを優先しています。タップとフリックはともすれば互いに邪魔し合う操作ですが、外観やフィードバックにより、なるべく目的通りの機能を優先的に提供しようとしているわけです。

アプリをデザインする上でも、ハイライトやアニメーション、要素の外観などをコントロールして、ユーザーを適切に誘導することが大切です。こういったことは App Store のレビューには挙がってこないでしょうけれど、「何となく使いにくい」アプリにならないために重要なことだと考えています。

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