はじめまして。共同開発部 開発担当の伊藤です。iOS、Android、Windows Phone と、マルチプラットフォームでアプリを開発しています。
個人でもマルチプラットフォームにアプリ作っているのですが、そこで問題になるのは検証端末の確保とその月額料金。新しいバージョン OS や端末が出ると追いたくなるのはスマートフォン開発者ならみなおなじでしょう。そしてそこにつきまとう月額料金。
今回はいかにして端末をお得にゲットし、月額料金を抑えて、お得かつ最大限にモバイルを楽しむかを考えたいと思います。
※モバイル回線の利用には契約が伴います。契約時は内容をご自分でしっかり確認してください。
※2012年1月13日現在の情報です。料金・サービス変更により、内容が変更となっている場合もありますのでご注意ください。
月額費用の基本戦略
月額費用節約のこつは二つあります。
一つは上限を決めること。上限を決めておかないと安く維持できる回線をいくつも契約してしまい、結果として毎月の支払いがあふれることになります。伊藤はメインで使うスマートフォンを1台、モバイルルーター1台と、安く維持する回線をいくつかでだいたい1万円くらいを上限としています。
もう一つパケットを流す回線は1つに集約すること。そのためには以下の方法があります。
●戦略1:通信する端末は1台だけにして割り切る
まずは基本ですが、複数台持っていてもパケットを使う端末はひと月に1台にします。無理はしない。
●戦略2:モバイルルーターを使ってパケットを集約する
モバイルルーターを別途契約して、スマートフォンはパケットを流さないように設定を変更し、Wi-Fi のみを利用する形でパケットを1回線に集約します。また、この方法では WiMAX のモデルを選択すれば、スマートフォン単体の通信よりも高速な通信を見込めます。
複数端末持ちの常套手段とも言うべき方法で、フェンリル社内でも利用している人をちらちら見かけます。
●戦略3:テザリングできる端末を使う
スマートフォン自体がモバイルルーターとなるテザリング機能の搭載された端末が発売されています。テザリング機能を持つスマートフォンでモバイルを楽しみつつ、他の端末でも使うようにできます。
利用できる端末が限られることと、テザリング機能を有効にしていると電池の減りが激しいことが難点です。
端末を買うときはセール品を探す
最新モデルでなくてよいならば、なるべく1シーズンより前のセール品の端末を選びます。よく「0円」とか「1円」とか言われるあれですね。この「0円」というふれこみは、大きく分けて3つあります。下に行くほどお得ですですので、よく見極めましょう。
- ・「分割頭金」0円=普通に端末代の分割払いがある=お得じゃない
- ・「実質」0円=端末代と同じだけ月額料金をひいてもらえる=普通に使うなら良い
- ・「一括」0円=本当に端末が0円=お得。場合によっては0円で端末を入手しつつ、月額料金を更にひいてもらえる場合も!
時期によっては最新モデルも一括0円やっている場合もあります。安く買いたいのであれば普段からの情報収集が重要です。販売店の場所を把握して、安売りがないか目を配ります。Twitter で「新規一括0円」「MNP一括0円」などのキーワードで見張ってるのもいいでしょう。
端末代だけでなく維持費の上限と下限を見ること
無事安い端末を見つけた場合でも、契約プランをよく確認します。店員さんに「最大いくらかかるのか」「最低いくらかかるのか」「はずしてもよいオプションはどれなのか」「解約するといくらかかるのか」を聞いておきましょう。
この情報をもとに、飽きたときに使わずに最低契約期間がくるまでおいておくのと、違約金払ってでも解約してしまうのとどちらが得になるのかを判断します。
最近は二段階定額よりも上限が少し安い一段階定額(フラットという名前がついているプラン)を勧められることが多く、何も言わなければ店員さんはそちらのプランにしてくれると思いますが、最初からあまり使う気がない場合は二段階定額にしておきましょう。
端末だけ買う
月額費用を含めた維持費を含めて考えると中古携帯、いわゆる白ロムを探して端末だけを買ったほうが安く上がる場合もあります。白ロムショップは秋葉原や日本橋など各地にあり、ネットショップもあります。
気をつけたいのは、元の持ち主が分割払いをきちんと支払っておらず、携帯会社側から端末を使用停止される「赤ロム」という状態。この状態に陥るとせっかく買った端末が使えなくなってしまいます。この現象に対する保証がついているショップもあるので安心感がほしければ保証のあるショップを選ぶとよいでしょう。
MVNO の回線を使う
端末だけ買った場合で 3G 回線で普通に使おうとする場合はそれに入れる回線が必要になります。他の端末の SIM カードを使用しても良いですが、使い方によっては元々の携帯会社から回線を借りてサービスを提供する MVNO (仮想移動体通信事業者)のサービスを使うことにより月額の料金を更に安くしたり、安価に増やしたりできる場合もあります。
b-mobileのサービスは普通に使えて普通の値段がかかるものから、低速だけど安いプランまでそろっていて、その中でもイオンだけで購入できる「b-mobile SIM [イオン専用]」(通称イオン SIM)が昨年話題になりました。一番安い plan A では100kbpsというとても遅い通信速度しかでませんが、月額980円でデータ通信をすることができます。この速度だとアプリのダウンロードは厳しいですが、メールやちょっとしたWebブラウズくらいであれば十分使うことができます。
また、携帯電話会社だけでなく ISP が自社の会員向けにモバイルサービスを提供している場合もあり、このような場合は家のネットとセットにすることでお得になるということを売りにしています。伊藤が自宅で使っている So-net では、2年の契約期間があるものの、2,780 円で 3G 回線をフルに利用できるようです。
注意したいのは、端末と SIM カードには使える組み合わせがあるということです。MVNO の回線を端末で使う場合は対応機種を事前に確認しておきましょう。
また、データ通信専用の SIM カードをスマートフォンに挿したばあい、機種によっては接続はできるものの圏外と判断されて電池の消耗が激しくなってしまう場合があります。使っていないときは電波 OFF モードにするなど工夫が必要です。
1回線はフルに使いたい
ここまでいかにして節約してするかを考えてきましたが、スマートフォンはその場でさっと取り出して使えるのが一番です。自分もできるだけパケットを集約して節約して使っていましたが、今は普通に使えるものがあったほうがよいという考えのもと、1回線、1端末くらいは普通に使えるものを用意することをお勧めしています。
ちなみに伊藤は発売日に貯金をはたいて定価一括で買った Windows Phone IS12T をメインに使い、イオン SIM plan A を端末だけ購入した Optimus Chat L-04C でチャット端末として使い、SIM フリーの iPhone 4 を回線なしでカメラ代わりに使っています。そのうち WiMAX と 3G がデュアルで利用できるモバイルルーターを買って環境改善したいと思っています。